六ツ角研究室(ムツラボ)

ムツカドあたりから流れる音楽のごときニュアンスを

空気を震わす噺家

「六人の会(鶴瓶正蔵・小朝・志の輔・昇太・花緑)」主催にて、昨年終わった「大銀座落語祭」の後継イベントが「大宮崎落語祭」だ。10/11・12、宮崎、盛り上がってます、もちろん東国原知事も来てた。
昔からの友人が関わっていることもあり
5#00起床、6#10福岡・天神バスセンター発の高速バスにて宮崎へ、片道約四時間の旅(日帰り)。

橘通りにできたアートセンター1階のオープンスペースでのセレモニーが11#00よりスタート。東京からついたばかりの六人、県知事、市長さんも揃って鏡開き。
場所をMRTmiccに移し12#00「鶴瓶噺」、14#00「志の輔談春の会」、16#00「三枝・鶴瓶の会」と三番組も見ることができた。
これも合わせて、二日間で17番組も催される豪華な落語の会。

志の輔の泣かせの落語は、風景がありありと見える。長い物語の世界に入り込んだ錯覚をおこすが、わずか20分程度。噺家から発せられる言葉だけで提示される世界を観客それぞれが脳内でイメージする。
なんというクリエーティブな遊びなんだろ落語って。
談春も三枝も切れまくってた。一級品を立て続けに見ると、それぞれの持つ「間」の凄さが分かる。自然なトークから、いつの間にかスッと物語の世界に引き込まれる瞬間がある。
一流の人は空気をコントロールするのがうまい。
鶴瓶は天才的に空気を震わせる、もう自由自在。
虚実の世界をいったりきたり、観客の温度を見ながら強弱、うーむ凄い。
枕から本編に入り、着物の上着をスッと脱ぐ瞬間、観客はそれぞれの現実から別の世界に連れていかれるのだ。

帰りは高速道路大渋滞。
福岡まで6時間、24時帰宅。
ビール飲みながら思い出しながら。