六ツ角研究室(ムツラボ)

ムツカドあたりから流れる音楽のごときニュアンスを

ねむり、役割の点滅、おわせてくれよ

足が冷えて仕方がないので、靴下をはいてベッドに入る。
この夜から湯タンポ導入。それで眠りの質が違うんだ。
最終的には脱ぎ散らかす無意識。脱ぎ散らかして、すとんと落ちる瞬間を想像するのは実に気持ちがよい。
ベッドの敷きパッドも肌触り柔らかぬくぬくのヤツを新調したこともありましてね、深いねむりの環境がようやく手に入った感じ。
年末に実家で判明したのだが、母も姉も昔から不眠に悩まされており、睡眠薬など当たり前に使用しているというのだ、知らなかったなそんなこと、一緒に暮らしていた頃もさっさとすやすや眠りに落ちていたのだな俺は。深さには自信がないが、すぐ眠ることに関しては昔から才能があった。

村上春樹に「眠り」という物語がある。2010年には改稿されて、ドイツ語版のイラスト入り「ねむり」として発売された短編だ。
突然眠れなくなった女性、不眠症ではない。いつも以上に健康だった、どこか次元の違う世界を手にいれたように目覚め続ける。そして、『アンナ・カレーニナ』を読む。
どこかエロティックで、じょじょにほの暗い恐怖感が押しよせる。その暗さがあとを引く作品、2010年度版を持ってったはずだが見つからないのでAmazonで購入・・・しようと検索すれば、村上春樹の別の作品集「めくらやなぎと眠る女」の2009年ペーパバック版があまりに安かったのでそちらを購入した。
思えば最近毎日、そんな風にして本を買っている。
人生は出会い頭の連続だ、そこには“偶然”のニュアンスを含む。
だけどね“出会い頭”を誘発するためには“必然の行動”が必要。
つまり「何かを目的として行動する人に、目的外の出逢いがやってくる」
どんなに忙しくても、新しい出逢い頭は愉しい。

1#6
福岡で活動する若手劇団「万能グローブ ガラパゴスダイナモス」の新春第一弾、番外公演「おわせてくれよ!」を見た。
座付き作家の川口君の芝居が大好きでずっと追いかけている劇団。
今回は、作・演出を同劇団の役者でもある松野尾亮が手掛ける約4年振りの新作。
“ロック”をモチーフに、情けなくも頼りない兄を慕う、ロックスターの弟二人が織りなす人間模様を描く。

川口君もマツノーも、音楽的な芝居を創る、だけどそのアプローチが違うんだ。
マツノー演出で実に好きだったのは、同じ役柄を複数の役者が演じるところ
“役割が次々に点滅してる”。
唄も楽器もへたっぴだけど、それすら愛しい、そんな舞台を見た。