おでかけしたいオコゲマッコリ

2010年の夏に、今の住まいに引っ越してきた。
すぐ近くに奇妙な“六つ角”のある街だ。
六つの道の先は実にたくさんの可能性を秘めており、毎日毎日新しい扉を開くように、世界が展開している
一年半経っても飽きるどころか、この街に住む愉しさを堪能している。飽きやすい自分にとって驚くべき事実。
新しい部屋に住み始めて程なく、近所にopenしたばかりの韓国ビストロに行ってみたのだ、まるで“孤独のグルメ”の井の頭五郎のように、心の中で猛烈にお腹を空かせて出逢ったお店だった。
それが“七階のナム”。
オーナーシェフの韓国人女性との出会いも、そこで働く人たちや、うすぼんやりとしたあたたかい光に惹き付けられるように訪れてくる人たちとの出会いも上出来。
“オコゲマッコリ”を何リットル飲んだかな、何人の友達を連れて行ったかな。

オーナーが一時的に帰国するとのことで一ヶ月お店を閉めるという。

１月の最終日に、感謝を込めて飲みに行ったのだ。

翌朝早い用事があったのだけど、どうにも帰り難くて深い時間まで。

夜中から冷たい雨が降り、２月になったとたんに気温は下がり、それから雪になった。

アジア各国の雑然とした空気や匂いに惹かれる。ここ数年海外に出ていないぞおれは、と思い立ち、切れてるパスポートを更新することにしたのである。