六ツ角研究室(ムツラボ)

ムツカドあたりから流れる音楽のごときニュアンスを

読書会とカクテル

水曜日、今年第一回目・通算20回目の「読書会」が開催された。
場所はテラダ氏オフィス、テーマ本は『思考の整理学(外山滋比古)』

参加者は、女子高生から40代のビジネスマンまで多様な11人。

以前も書きましたが、個人的に今年のテーマが『醸成』なもので、この本にある「醗酵」「寝させる」辺りがことのほかタイムリーであり、それを含む第二章のメタフォリズム溢れるコラムが実に秀逸だと思われて、文庫本にイラストを書き足しつつ何度も読んだ。

『「見つめるナベは煮えない」。頭の中の醸造所で、時間をかける。あまり騒ぎ立ててはいけない。しばらく忘れるのである(P32)』
うむ真理だな。

『それを考えていると胸がわくわくしてきて、心楽しくなる。そうすればすでにアルコールの醗酵作用があらわれているのである(P34)』

『ビールの麦』と『酵素』の組み合わせみたいなものを樽に寝かせる。
そんな樽をたくさんの種類持っている、機が熟したら酒として宴に使える。
すぐには出せないから、日々準備が必要だ、そういうのが自分の仕事のイメージ。

P42〜の『カクテル』もこれまた大好物な文脈だ。

『着想、思考についても、ほぼ、同じことが言える。「ひとつだけでは、多すぎる。ひとつだけでは、すべてを奪ってしまう」。』

大学生の頃、バーテンの仕事をしてたというFさんが、実際のカクテルづくりについて言及した。
そう、比喩が生きるのは、リアルにそれをイメージできるから。
僕のイメージもはっきりしてる
「某カラオケ屋のモスコミュール」と「中洲・バー樋口」のモスコミュール。
「ありもののA・B・C・Dを混ぜただけのカクテル」と
「物語のある素材A・B・C・Dに、人と場所と雰囲気をミクスチャーしたカクテル」。

こんなイメージを喚起させる『思考の整理学』は凄い本だね。


追記
不義理した事に対するせめてもの気持ちに贈りもの。
フィンランドの良心、カイフランクのデザインした『イッタラのタンブラー』を、オクタホテルのパッケージにて(自分が欲しいものをSelect)。
お客さん来たら使ってくださいな。