六ツ角研究室(ムツラボ)

ムツカドあたりから流れる音楽のごときニュアンスを

さんきゅー小宇宙

「薬のんでますか、もしかして。サプリメントとか・・・」
イケメン風の医師にそう聞かれるが、胃カメラで身体の半分くらい串刺しにされており、マウスピースを噛んでいるので答えることができない。
昨日までは飲んでましたが、今朝は飲んでおりませぬ、それが何か?と言いたかった・・・。
究極に小さくなってその先に突き抜けるとそこにあるのは無限で広大な宇宙で、宇宙を辿ってゆくと人間の魂の中にいつのまにか紛れこんでいく、大だ小だの概念なんぞ意味がない。
手塚治虫火の鳥の一場面だったと思う
自分の身体の中をモニターで見ながら、人間が生きているというのはすごいぜ、とぼんやり思う。
ずっとお腹が痛かったが、自分の内臓はとても美しく色づき、毎晩の不規則につきあってくれる。
頑張ってくれているのだ俺の身体、しみじみ。

午後から今週2度目の鳥栖に着き、かしわうどんに丸天をトッピングして食べた、美味みが身体中に拡がる。明日はJ1の開幕戦で、この鳥栖のスタジアムはお祭りの様な騒ぎになるのだろう、いまこの、あまりにひと気のない場所で立ち食いしながらギャップを楽しむ。

福岡に戻り、19時頃から予定通り、今泉の「天神ホルモン」に集合した。
ちょっとした同窓会のような飲みである。
2002年、日韓ワールドカップサッカーの大分会場で共に仕事をした仲間、あの熱狂的な日々を肴にこの10年のことと、これから10年のことを考える機会。ぷりぷり丸腸とレバ刺しは僕らの熱狂の証のようにキラキラしている。肉食ばんざい、さんきゅーいまこのひととき。
あれから10個歳をとり、これから10個歳をとる、あらゆることが起こったし、これからも起こるだろう。
酒を飲みながら言葉を放ち、静かに眺める。
山口美江が亡くなったね、駒沢敏器が亡くなったらしいね
たわいもない話しの中で、生きてることと死ぬことのイメージをちらつかせ、僕らは小さくことから壮大なハッタリまでまぜこぜにして日々を楽しむ。
作家・駒沢敏器が描く沖縄についての文章が好きだった
先日沖縄で58号線を走りながら、北谷についてのこの考察のことを思い出していたのだ。
「58号線の裏へ“CoCo壱番屋の謎”」
http://web.soshisha.com/archives/58/2005_1117.php
ものごとを、どういうふうに見るか、いかにそこに人の有り様を見るか、流れる時間と残されるイメージはそれを教えてくれる。