六ツ角研究室(ムツラボ)

ムツカドあたりから流れる音楽のごときニュアンスを

素肌にワッフル跡

テレビをつけっばなしで、あらゆる競技の歓声と共に眠りにつく、あるいは試合が始まるのを半分意識して半分夢の中でゲームは繰り広げられる
男子サッカーの3位決定の韓国戦などは、リアルで見ていたはずなのに、途中から夢の世界のリアルとつながってしまい、7対0と大差がついた(やはりこちらでも日本は負けだ)。夢のほうではピッチに立っていたりするので、大敗してどんよりした気持ちのまま朝を迎える。


蝉がアスファルトに腹這いで息絶えていた。
雨が降っても濡れるくらいがちょうどよい気候。
短い夏の終わり頃のある日、制作会社SのY氏から急な誘いがあったので、仕事を早めに切り上げ、大橋駅で夕方待ち合わせる。
Y氏が連れてきた24歳入社1年目の女子と三人で、お迎えのバスに乗り込み向かったのは筑紫野の山の方にあるゴルフ場、ちょっとした小旅行の趣で、到着した我々は、宴会場で酒とビュッフェスタイルの食事を楽しみ、なんだかんだ最近の仕事のことや、アイデアや業界事情を話し合うのだった。

ゴルフ場だがゴルフはしない(そもそもゴルフはたしなまない)
本日の目的は、モノマネ芸人某氏のショーを見ること。
そうか、平日の明るいうちに彼らはこういうふうな場所でこういうお客さんを前に芸を披露するのだ、面白いなぁ。
個人的には“先に”ショーを見て、“その後”酒と食事のほうが楽しめるな。感想とか皆で話しながらご飯食べるのって愉しいものね、
さておき、ほろ酔いのまま下界に降りて、西鉄電車と地下鉄を乗り継ぎ大濠へ(24歳女子は残念ながら仕事に戻った)。
Y氏と二人で向かったのは、西公園の近くにあるWというジャズバー。
カウンターに座り、ママさんにアナログレコードをかけてもらいながら、水割りをちびちび、レコードのノイズが気持ちよい。

そんなに遠くに来てないのに、かなり遠くまで旅はできる、それが人間の脳みその凄さだな

気分よくトリップして、お開きしてもまだ22時だった。
部屋に帰ると、テレビをつけてビールをあけて、ソファで完全に堕ちるのだ。我が家のソファにはカバーにワッフルみたいな型押し模様が施されており、素肌にくっきりと、縦横跡がつく、この夏、ワッフル跡がどこまでも遠くへ誘うのだよ。