六ツ角研究室(ムツラボ)

ムツカドあたりから流れる音楽のごときニュアンスを

花火ダシのsoup”

天神地下街サーティワンで、ファミリーセット的なものをお土産に買う。カラフルなプチプチの乗ったやつ、それからチョコミント
さらに赤ワインを1本入手し、そのままミーナ天神を北寄りに地上に出ようとしたら、通路が塞がれて上がれないではないか。
あそうだ、ショッパーズ専門店街が閉店したんだ。
悲しいかな、ここ最近は通り抜ける場所としてしか利用していなかった。
一瞬思いは交錯する、しかし回り道して地上に出るわずかな時間に、すぐに気をとりなおす。
花火大会が始まりに近づくに連れ人が天神から大濠に向けて流れる。
まだ大丈夫かな?タクシーに乗って、長浜通り側を抜けて荒戸のO邸に到着した。

数年前、友人Oの住まいであるマンションのの屋上がベストビュースポットだと知って、花火をダシに集まるのが恒例になった。
とはいえ今年の8#1は月曜日で慌ただしい。
喧騒を抜けると台風の中心みたいに静かなスペースが存在することを僕は知っている。忙しさや慌ただしさの少し先にある静けさ。
静けさを目指して人の波をタクシーですり抜ける。裏道作戦成功。
Oの息子が玄関先で迎えてくれた。サーティワンに狂喜乱舞する小学一年生、正しい反応ありがと。 

ダシに使われた花火、しばし音を聞きながら部屋にて花火大会のテレビ中継を見ながら乾杯。
Yahoo!ドームのスーパーボックスでテレビモニタの中の野球見ながら酒を飲むようなもの。
いつでも“生”がそばにある、それを横目に瞬間を過ごす、そんなおとなの楽しみ。
酒も回った、腹八分。フィナーレわずか前にようやく腰を上げた、屋上で涼みながら実際の花火を見たのです。
お隣のビルの屋上はすし詰めなのに、こちらの屋上は程よい案配。
光が闇に溶ける、音は震える、薫りはやわらかく降る。
小さな女の子が静かに空を見上げる。母親が愛しそうに見つめる。
 
台風の目の中にいるかのような静けさで時間に包まれる。
花火のダシが少し幸せにしてくれる8月。