六ツ角研究室(ムツラボ)

ムツカドあたりから流れる音楽のごときニュアンスを

はや8月、あれから20年

毎週月曜日は夏バテ気味である。
春でも秋でも冬でも、やはり月曜日は夏バテしている。
夏生まれですがテンションはたいてい夏バテのそれこれ。
時間がいつもながら間延びしたり、ショートカットされたり、膨張や無意識や短縮ボタンを経て、ソファーで落ちていたら8月を迎えた。
イチローの電撃移籍も、ロンドン五輪の時差8時間も、韓国のK氏のファンミーティングも、毎晩の夢の世界に消費されてしまう。現実と幻が暑さでグレーになる季節

仕事帰り21時頃、めったに行かないご近所のハンバーグ専門店で瓶ビール手酌でひとり食事をしていると
たいへん居心地のよい時間に包まれている
同じようにハンバーグ専門店でひとりビールを飲んでいた場面がよみがえった、あの時たぶん20歳、誕生日が近かったから8月、夏、大分の都町というところにいたのだ。
あの頃は大学生で、お金をもっと稼ぎたくて、できるだけ賃金の高いバイトを探していたのだ。めぐり巡って、パチンコメーカーの下請けの仕事を請負うことに成功して、各地を泊まり掛けで遠征した。
やってみるとそんなに割のいい仕事ではなかったのだが、自分で勝手に動いて、二時間くらいかけて作業を終える、それを三ヶ所程度こなしたら仕事は終わり、あとはその土地の雰囲気を楽しんだり、美味しいものを食べたり、誰にも邪魔されず気ままでしたが、
ふと引きで自分を見るとざわざわしつつ孤独で、ひとりだけどそれはそれで愉しいなと、どっちつかずの気持ちをもて余していたように思う。
ネオン街近くの、ファミレスみたいなたたずまいのハンバーグ専門店に入ったら、予想に反してハンバーグが美味しくて、グラスで飲むビールが喉に麗しく、お運びの女の子が可愛くて、ああ、明日は何が起こるのだろうか、と奥底から沸き上がる喜びを噛み締めていたことを思い出した。
それからもう20年たったのだ、なんたるショートカットされた記憶。あんなこともこんなことも経て、清濁の少し先にある20年だ。でも同じように、明日は何が起こるのかと、楽しみなひととき、ハンバーグを運んできてくれた女の子はにっこり笑ってくれてるではないか。
なんと明日で40歳、でもまだこれから何をやりましょうか、自由度は増しているではないか2012年、夏真っ盛り。